2008年の、いざ鎌倉 −その2−

江ノ電・「極楽寺」駅で降り、改札で駅員に切符を手渡す。

曇天模様が、やや湿り気を帯びた空気を運ぶ。線路と平行に走る一車線の緩い坂道。道の脇には石垣、商店、青く茂った森。そこかしこに散見される、あじさいの小さな群れ。

あじさいには雨に濡れた石垣が似合う。石畳もいい。あじさいのうっすらとした色合いは、モノトーンの世界にこそ、唯一有色の存在として映える。晴れ渡った天候では、空の青が飲み込んでしまう。

坂道を上る人々は間隔の大きな列をなしており、自然、彼らの後を追うように歩く。一帯の地名となっている極楽寺を左手に見遣りながら、「成就寺」を目指す。

やがて坂道は頂点に達し、上りよりもややきつい勾配で下り始めるところに、成就寺は在る。

細い石段。小さな山門。狭い境内。

境内に至るまでに、いくつもの小さなあじさいの群れに遭遇する。早くも待ちきれない人々はここでシャッターを押す。

賽銭を投げ込み手を合わせる。境内を出て右手には、異様な人壁ができていることに気づく。人と人との間から背伸びをして先の様子を伺うと、由比ヶ浜が一望できる…だけではなかった。

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あじさいが、坂道をなしている光景。

あじさいとあじさいとの間には、石段を下る人々の頭・頭・頭。あじさいはちょうど人の頭くらいの大きさをしているので、あじさい柄の帽子を被っていたら、見分けがつかない。

c0025348_0582757.jpgあじさいの見頃、開花ピークがいつ頃なのかはよくわからない。

ほぼ一定の期間に一斉に咲き、ほぼ同時に散っていく桜の花とは違い、一部の集まりが咲き、一部の集まりが枯れ、また一部の集まりが咲き、また一部の集まりが枯れる。

同じ場所で何度も開花を拝むことができるので、「あのときが一番多く咲いていた」と過ぎた時間を振り返るのが、確実にピークを知る方法だろう。

長谷寺にも足を運んだが、こちらは「待ち時間40分以上」などというテーマパークさながらの掲示がされていたので諦めた。

正確には諦めようかどうか悩んだのだが、その刹那、待ち時間の数字が「60」に更新されたので、諦めがついた。
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by riv-good | 2008-07-04 01:02 | 旅道楽

約10年の関東生活を経て長崎にUターン。長崎の生活事情や日常に沸き起こる出来事を書き綴っています。歌も歌います。フードアナリスト協会 正会員。何者でしょうか?


by 裕一郎
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