新風、吹き止む -その2-

■2通目の詫び状

訂正された賞状とともに送られてきた詫び状には、

「以後、二度とこのようなことのないよう、努めていく所存です。」

と結ばれていたのだが、どういうわけだか、オレの手元にはもう1枚の詫び状がある。

今度は何のお詫びかというと、共同出版の費用の件で、である。

以前に送られてきた出版申込書には、このような夢を実現するためのオネダンが提示されていた。

「出版費用: 特別価格 50400円(税込み)」

オレは自費出版に興味をもったことがなかったので、相場というものを知らない。特別価格とは書いてあるものの、それがどれほど「特別」な提案なのかが、イマイチよく伝わってこなかった。

c0025348_0162220.jpg額面を見て、

(それにしても、5万円は高い。)

そう思うのが精一杯だった。

そこに届けられたのが、「お詫びと訂正」だ。

オレは即座に直感した。

(ほうら、やっぱ5万なんて高すぎたのだ。)

自費出版とはいえ、素人がおいそれと出せる金額であるはずがない。

文面を読み進める。

「『特別価格(税込み)』となっておりましたが、」


(ほうほう。)


「税抜き価格を記載しておりました。」







バカなのかね、君は。







オレは再送されてきた申込書をビリビリと破り捨てた。

賞状も申込書も不備。

後から提示してくる値段の方が高いだなんて、何を意図しているのかがわからない。


到底そんな出版社に出版を依頼する気にはなれないまま、数年が経過した。

そして、新風舎の倒産を見届けることになった。【了】
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by riv-good | 2008-01-22 00:20 | 文字中毒

約10年の関東生活を経て長崎にUターン。長崎の生活事情や日常に沸き起こる出来事を書き綴っています。歌も歌います。フードアナリスト協会 正会員。何者でしょうか?


by 裕一郎
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