ネコの居るコタツ

昨年の暮れのことです。長年使っていたコタツのヒーターが故障してしまいました。
c0025348_1461693.jpgなにせこの寒さですから、そのまま新年を迎えるわけにはいかず、かといって新品を買えるほどお金の持ち合わせがありません。思案したあげくに、県境にあるリサイクルショップへと駆け込んだのです。

運良く見つけた家具調のコタツ。新品同様のわりに、値段は1980円と手頃。是非もなく買い求めました。

わたしの部屋にネコが…いや、正確にはネコとおぼしきものが棲みついたのは、その日からのことです。

十分暖まるし、見映えもしっかりした申し分ないコタツなのですが、不意に足を突っ込むと、柔らかくて弾力のある物体を蹴ってしまうことがあるのです。

驚いてコタツ布団をめくって覗こうとすると、シャランという鈴の音と共に何者かが走り去る気配。

中には何の姿もなく、ただ対面のコタツ布団がトンネルのようにめくれているばかり。部屋を見渡しますが、鈴の主は見当たりません。

ネコの居るコタツ。

体を蹴ったお詫びに、こっそりとエサでも入れておこうかと思うのですが、はたして食べてくれるでしょうか。
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by riv-good | 2005-02-13 14:08 | 掌編小説『瞼の裏側』

約10年の関東生活を経て長崎にUターン。長崎の生活事情や日常に沸き起こる出来事を書き綴っています。歌も歌います。フードアナリスト協会 正会員。何者でしょうか?


by 裕一郎
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