クリスマス会 2016

先週の土曜日、息子の保育園では暦よりも一週間早くクリスマス会が催された。

プロテスタント系の保育園ということもあって、正統なイベントが執り行われる。

クリスマス会は4部構成になっていて、まずはページェントと呼ばれるイエス・キリストの生誕にまつわる演劇。それから牧師さんのお祈りを経て、祝会と称する各クラスの出し物が披露され、会の最後にはサンタクロースがやってきてプレゼントを配る。

まさに半日がかりでキリストの誕生を祝うのだ。

今年のページェントでは息子にも「子羊」の役が与えられていた。ステージ上で6匹の子羊たちが聖歌隊の歌に合わせて踊った。ほんの1分足らずの出番だけれども、12月に入ってからはそれなりの時間を練習に費やしていたようだ。

そういえば、お迎えに行ったとき、先生から息子の歌や踊りについてこう訊かれた。

「大好きみたいですよー。おウチでも歌ったり踊ったりしてるんですか〜?」

している。といっても子羊役の練習とかではなくて、星野源の「恋」とか「Drinking Dance」などの最新曲を歌うし、恋ダンスはおろか他のPVのマネもちょいちょいやっている。

「お父さんも、踊りとかお好きなんですか?」と訊かれたこともあったのだが、そのときは、

「ええまぁ」

と口を濁し、目を逸らした。

ページェントは何事もなく終了。

会場内は我が子・我が孫の出し物を待つ祖父母や父母の熱気で充満していて空気が薄い。連れてきた下の子もヒマを持て余しておとなしくしていないので、牧師さんのお祈りが終わったタイミングで、わたしは園庭に出た。

やがて各クラスの出し物が終わる。クリスマス会はいよいよクライマックスを迎えた。そう、サンタクロースの登場だ。

サンタクロースは、園児一人ひとりに手渡しでプレゼントを配る。これくらいの年齢の子どもたちにとっては、刺激的で忘れられない思い出になるだろう。

さてここで、去年のクリスマス会にやって来たサンタクロースのことに触れておかねばなるまい。

コスチュームは完璧だった。サンタの帽子、サンタの白髭、サンタの服、プレゼントが入っているであろう白く大きな袋。そして台詞の英語も。

しかし、彼は褐色の日本人だった。帽子と髭の間に見える顔や、服の袖から出ている手が、何度目をこすって見ても浅黒いのだ。

「思ってたんと違う…」

率直な感想がうっかり口をついて出た。

今年はどうだろうか。

同じサンタクロースが来るのだろうか。

園庭からは2階の窓の奥に、控室から廊下を伝って会場に向かってくるサンタクロースの姿が見えた。

なんということでしょう。

会場の出入り口の前で立ち止まったのは、去年と同じ褐色のサンタクロースだった。

不意に背後の教室の窓が開いた。学童保育に来ていた小学生が顔を出して口々に言う。

「あのサンタ、誰?」

「あのサンタ、誰?」

学童保育の担任の先生が言った。

「誰って、サンタはサンタでしょうが。ねぇ?」

と、こちらに同意を求められて焦る。

「ええまぁ」

全ての子どもたちの名が呼ばれ、プレゼントが一人ひとりに行き渡ると、サンタクロースと過ごしたひとときもお別れを迎える。

スピーカーを通して司会進行役の先生の声が聞こえてきた。

「サンタさんプレゼントありがとう!お礼にみんなで歌って、サンタさんを見送りましょうね〜」

そうして始まった曲が、これだ。

『慌てんぼうのサンタクロース』

一週間も早く招かれたのに、慌てんぼう呼ばわり。

ああ、サンタよ。

ああ、褐色のサンタクロースよ。

Merry Christmas、楽しいクリスマスを。

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by riv-good | 2016-12-24 11:03 | ヒトの衣谷さん

約10年の関東生活を経て長崎にUターン。長崎の生活事情や日常に沸き起こる出来事を書き綴っています。歌も歌います。フードアナリスト協会 正会員。何者でしょうか?


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