人気ブログランキング | 話題のタグを見る

重力との戦い

重力との戦い_c0025348_1695236.jpg1年ぶりに実家へ帰省。

実家はおいそれと帰ることのできない距離にあるので、単なる帰省も第三者が見ると「旅」のような様相を呈してしまう。

東京発・新幹線「のぞみ」に乗って、終点の博多まで。それから長崎行きの特急「かもめ」に乗り換えて、故郷の諫早(いさはや)へ。

所要時間は、約7時間。日本の半分を移動する間、ラーメン屋のカウンター席1つ分のスペースで可能な限りゆったりと過ごす。相棒は、駅弁、おビール、京ぽん、文庫本、MP3、そしてノートPC。

ところで、「旅」なので予期せぬトラブルが起きても、むしろそれを楽しむ余裕が欲しいものだ。

重力との戦い_c0025348_16114359.jpgその口火を切ったのが、ノートPC。

今朝、出発前に最後の荷造りをしていたところ、たまたま書きかけのテキスト・ファイルがあったのを思い出して、これらをノートPCに移そうと試みた。が、

「忽然とマウスカーソルが消える」

という一大イリュージョンに見舞われた。

おかげさまで、出発時間ギリギリまでトラックポイントのドライバーを削除したり更新したり、さらには外付CD-ROMドライブとリカバリーディスクまでも動員して復旧作業に追われた。

結局、30分以上の余裕を生むはずのタイムスケジュールが壊乱。出発前から持ち時間ゼロの状態に陥る。


重力との戦い_c0025348_16162471.jpg本来なら「ガンガン、松戸駅まではバスに乗ろうぜ」作戦を遂行するつもりが、あいにくの休日ダイヤ。乗れるバスすべてを棒に振ってしまったため、快晴の夏空の下、身体を鍛えるにはほどよい重力感のボストンバッグを担ぎ、徒歩で駅へと向かう羽目になった。

駅のホームに着くと、タイミングよく上野行きの常磐線が到着。車内はクーラーが効いていたが、ついさっきまで体力作りに励んでいたため、額からどっと汗が噴き出た。ハンカチで汗を拭う。

車中、京ぽんでYahoo!の路線検索。この常磐線で10:50AMの「のぞみ」に間に合うかどうかが最大の関心事であったが、15分前には東京駅に着けることがわかりホッと一安心。
再びハンカチを取り出し額を押さえた。

なんだか今朝からいろんな種類の汗をかいている。

東京駅に到着。人混みに押しのけられ、よろめふためきながら新幹線のホームに向かう。目的の「のぞみ」は車内清掃中ということで、まだ扉は開かれていない。しかし、すでに扉の前には結構な人が行列をつくっている。


重力との戦い_c0025348_16184992.jpg律儀に最後尾に並ぶオレ。

程なくして、指定席だし並んで待っている意味が無いことに気づいた。先に旅の友、駅弁と、おビールを買い求めるべく行列をあとにする。

で、結局つまらない駅弁を買った。わたしの選球眼が悪いのではない。たいしたものを置いていなかったのだから仕方ないのだ。おビールは、抜かりなくヱビス。

時間があれば、東京駅・大丸で「まい泉」の箸でも切れるカツ弁当を買う予定だったのに…。身体を鍛える羽目になったことを恨んだ。

定刻になり「のぞみ」に乗車。さっそく個室空間の構築に取りかかる。各種お楽しみグッズを、前座席に据え付けられたテーブルとポケットに展開。必要なものを取り出したら、地球への求心力最高潮のボストンバックを棚に上げる。

座席に腰を下ろし、ようやくの休息。ポケットをまさぐる。額に浮き出た汗を…、

重力との戦い_c0025348_16211557.jpg汗を拭えないことに気づいた。

どうやら常磐線でハンカチを落としてきてしまったらしい。うっすらぼんやりとした記憶を辿ると、膝の上に置いていたのを忘れて、座席から立ち上がった拍子に置き去りにしてしまった模様。

しかし、そんなにガックリすることはない。ハンカチの予備は用意してある。

動き出す新幹線の中、わたしは頭上のボストンバックを見上げた。



【参考画像】

上から順に、「東京駅ホームにて」、「つまらない駅弁」、「特急かもめにて遭遇したハードな髪型」、「島原鉄道(一両編成)」、「諫早市の商店街・20時30分」

それから、衛星画像で距離感を。

重力との戦い_c0025348_1353231.jpg

by riv-good | 2005-08-15 16:21 | 旅道楽

約10年の関東生活を経て長崎にUターン。長崎の生活事情や日常に沸き起こる出来事を書き綴っています。歌も歌います。フードアナリスト協会 正会員。何者でしょうか?


by 裕一郎